いつか山で遭難したその時、慌てず騒がずひとまず落ち着いて腹ごしらえにかかる心構えを身に付けるべく
46巻のサバイバルオリエンテーリングで竹谷&孫次郎ペアが食べていた
カブトムシの幼虫の串焼きを作ります。
On your mark...
Get set...
Go!
【カブトムシの幼虫の生態】
・8月末〜9月末にかけて土の中で卵から孵化し、腐葉土をエサとして三段階で成長する。成長期間は4ヶ月ほど。
・一齢(初齢):体長1〜2cm、1ヶ月が二齢:3〜4cm、三齢(終齢):10cm
・一齢の期間は2〜3週間、二齢は1ヶ月、三齢は8ヶ月ほど。この時期に、成虫になった時の最終的な大きさが決まる。
・11〜3月は冬眠。4〜5月頃に再びエサを食べ始め、6月頃に前蛹からさなぎへ、7月頃に羽化して成虫になる。
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この大きさは三齢。 |
【奇食の権威・小泉武夫氏いわく「今まで食べた中で美味しかった虫ランキング」(「不味い!」新潮文庫より)】
1位/カブトムシの幼虫 2位/日本のイナゴ 3位/日本のハチノコ 4位/中国の竹虫 5位/カンボジアの赤アリ
イナゴ・ハチノコは割とメジャーな食用虫ですね。竹虫ってなんぞ。
タイではカブトムシを幼虫・さなぎ・成虫のどれも食べるそうですが、日本のものより大型の種類でエサも違うとか。
牛が食べたものの匂いは牛乳にダイレクトに反映する(「百姓貴族 2巻」荒川弘/新書館)、清流で育った鮎はきれいな苔を食べているからスイカの香りがする等の話を考えると、丸ごと食べる系の生き物なら尚更エサが食味に影響してきそう。鮎の例をひっくり返せば、腐葉土をエサにしている日本のカブトムシは土臭くてあんまりおいしくないのでは? という気がします。
小泉さんが食べたのはどこの国のカブトムシなのか…。
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泥を払って串に刺します。 | 「見ろっ カブトムシの幼虫だ!!」 | 「脂肪分たっぷりだぞ」 |
「脂肪分たっぷり」てことは、竹谷と孫次郎が食べたのは栄養を蓄えて冬眠中の三齢虫かな。
【本気の食用幼虫育成プロジェクト】
竹を発酵させて清潔な堆肥を作り、衛生管理が行き届いた環境下で食用として幼虫を育てている会社があります(実用新案特許取得済み ※リンク先に虫の写真はありません)。竹に含まれる成分が持つ優れた殺菌作用と防臭効果で嫌な臭いが軽減されてうんぬんかんぬん。大量に竹や笹を食べるパンダのフンは繊維質が主成分で、甘酸っぱい匂いがして臭くないと、とおおおおい昔に「小学○年生」(伏字でなくて何年生か忘れた)で読んだ記憶がおぼろげにあります。
安定的に大量に供給できるようになれば、肉や魚や卵・乳製品に並ぶ良質なタンパク源として期待できるそうです。食用とは言ってもサプリ用メインみたいですが、スポーツ選手が飲むプロテインの原料がいずれカブトムシになったりするってことですかね。
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「これを焼くと…」 | 「ほぉーら香ばしいニオイと脂肪が…」 |
屋外で焚き火をするには昨今色々と規制が厳しいので、ガスコンロの火力を最大にして直火焼き。竹串が焦げる焦げる燃える。
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「ほんでもってこれに醤油をひと垂らし…」 | 一番上がもげた。 |
【保健委員会がアップを始めました】
カブトムシの幼虫から抽出した抗菌性タンパク質(抗菌性ペプチド)「カブトムシディフェンシン」は、細菌の細胞膜に穴を開けてぶち壊すほどの強力な抗菌作用を持つという研究報告があります(1996、宮ノ下明大博士)。骨髄腫に対して特に有効性が認められ、白血球など他の細胞を傷つけない副作用の少ない抗がん剤として、臨床利用に向け現在も研究中。
タンパク質が加熱で変質しないように生で丸ごと食べれば、もしかして良いことがあるかもしれません。
カブトムシディフェンシンに関する論文はネットでも色々読めますが目が滑るすべる。
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「頭の部分は硬いから…」 | (ぷぷぷ) |
ごちそうさまでした。食感はプチッとサクッとしてました。味は「香ばしい」の他は何も言いますまい。
以上すべてエイプリルフールの嘘企画でした。
加工されていない野生のワームを口にする勇気はごじゃりません。
本体=ぎゅうひ 頭部=甘納豆 土=チョコレートフィナンシェ を使い、以下の順で作製しました。使用した食材はあとでスタッフが(以下略
1)白玉粉を水で練りつつ加熱してぎゅうひもちを作る。
2)片栗粉をはたいた台の上で伸ばし冷ます。
3)ナイフで切り出して丸め伸ばし、頭の部分に甘納豆を押し込む。
4)ラップにくるんでU字型に曲げ、金属トレイに並べて冷凍庫へ。
5)タッパーに入れたフィナンシェ(元からホロホロの市販アウトレット品)をフォークで細かく崩す。
6)ぎゅうひもちが型崩れしない程度に凍ったらスタート。
本物らしく作り込むスキルはありゃしませんので、めっそりな出来を引き写真+ぼかし加工でごまかそうと企んでいたら(4)の工程で予想外に生々しい外見になり、嬉しい悲鳴と言うか冷凍中なのを忘れて冷凍庫の扉を開けたらマジ悲鳴が出たと言うか。「虫だ!」と叫んで投げつけたら10人中6人ぐらいは一瞬騙されてくれたかもしれません。
タイトルの「野外炊具1号改」は陸上自衛隊保有の野外調理専用トレーラーです。最大で「600人分の米を炊さん/1500人分の汁物を調理/200人分の主食・副食・汁物を同時調理」ができ(同時進行は不可)、災害時の炊き出しなどで大活躍している優れ物。ただ火力調整の難しさや調理設備の手入れの問題で副食(特に焼き物)の調理は推奨されていません。
だがしかし生物委員は焚き火で焼き物を作れるぜ! て訳で、こんなタイトルに。
※野外炊具1号改および陸上自衛隊を誹謗する意図はありません。念の為。
こいつアホなことやってんなぁと半笑いで読んで頂ければ幸いです。
ふざけた企画にお付き合い下さり、ありがとうございました!
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クリアなアップで見るとただのモチ。 みつまめ等に入れるとおいしいよ! |